木材による音色の違い



コカリナは、使う材料によって、出る音質が少しずつ変わります。


例えば、スギやクルミのように ”軟らかい木のものは軟らかい・暖か味のある音” が出ます。
反対に、カシやコクタンのように ”硬い木のものは澄んだ音” が出ます。


その曲が持つ雰囲気に合った音質のコカリナで吹くと、より一層、曲の層雰囲気が出て、
聞く人を魅了します。
いろいろなコカリナで、楽しんでいただきたいと思います。



木の ”硬さ” や ”軟らかさ” を現す目安は、「木の乾燥比重」です。
軟らかい木は乾燥比重が小さく、硬い木は乾燥比重が大きい、とみて間違いないでしょう。


以下に、コカリナに使われるであろう木の乾燥比重表を示します。
この表は、軽いもの順になっています。


いろいろな文献を調べましたが、サンプルの採り方によって、値に差がありました。
一応の目安として、参考にしてみていただきたいと思います。



和    材

    樹   種         科        乾燥比重  
  クルミ  クルミ   0.3〜0.45〜0.64 
  ス ギ  ス ギ   0.38
  カツラ  カツラ   0.47〜0.49
  ヒノキ  ヒノキ   0.41〜0.44 
  ホウノキ  モクレン   0.48
  シ イ  ブ ナ   0.5
  クスノキ  クスノキ   0.52
  トチノキ  トチノキ   0.53
  イチイ  イチイ   0.54
  ク  リ  ブ ナ   0.55〜0.6 
  ヤマザクラ  バ ラ   0.60〜0.70
  カ キ  カキノキ   0.60〜0.85
  ク ワ  ク ワ   0.61
  サクラ  バ ラ   0.62〜0.75
  ケヤキ  ニ レ   0.62〜0.68
  ブ  ナ  ブ ナ   0.63〜0.77
  エンジュ  マ メ   0.63〜0.74
  イタヤカエデ  カエデ   0.67
  ミズナラ  ブ ナ   0.67
  ミズメザクラ  カバノキ   0.69 
  ツ ゲ  ツ ゲ   0.75〜0.81
  カ  シ  ブ ナ   0.79〜0.92
  ツバキ  ツバキ   0.81
  ウ メ  バ ラ   0.81



唐  木 (からき(注1)

   樹   種           乾燥比重       産 出 国
  チーク  クマツヅラ    0.57
    〜0.69
タイ、ビルマ、インドネシア
  カリン  マ メ   0.6 
    〜1.0 
タイ、ビルマなどの東南
アジアとフィリピン
  ウォールナット   クルミ   0.63 アメリカ東部およびカナダ
  ホワイトオーク  ブ ナ   0.68
    〜0.75
アメリカ東部およびカナダ
  ハードメープル  カエデ   0.70 カナダ、アメリカ北東部
  パープルハート    マ メ   0.88 メキシコからブラジル
南部の熱帯
  シャムガキ   ムラサキ    0.87 
    〜0.97
    〜1.0 
メキシコ、ガアテマラなどの
中南米
  ブビンガ  マ メ   0.92 カメルーン、ガボンなど
熱帯アフリカ
  コクタン  カキノキ   0.85
    〜1.09
インドネシアを中心に東南
アジア全域
  シマコクタン  カキノキ   0.85
    〜1.09
 同上
 チューリップウッド   マ メ   0.96 ブラジル
  シタン  マ メ   1.04
  〜1.06
ブラジル、中米、東南アジア

(注1) : 昔、唐(から)の国から入ってきたことに、由来するという。




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