コカリナとは



「コカリナ」とは耳新しい名前ですが、元もとは ”チェレスニファ・イ・オカリナ” 
「桜の木で出来たオカリナ」 と呼ばれる、
東欧・ハンガリーの民族楽器でした。


ちなみに、「オカリナ」 は、イタリアの民族楽器です。



「コカリナ」は、今から十数年前、コカリナ奏者の第一人者 黒坂黒太郎氏 が、自らハンガリ
ーに赴き、その製作技術を学んで来て、それを日本に紹介したのが始まりです。

それを、日本の木工家たちが改良を重ね、今日の「コカリナ」に完成させたのです。
つまりコカリナは、”ハンガリー生まれの日本育ち” の楽器なのです。



コカリナの基本型は、太さ2.6センチ、長さ8センチの小さな楽器です。
名前の「コカリナ」は、”木(こ)で出来たオカリナ” と ”小(こ)さい楽器” 
意味を持たせて付けられた名前です。



1998年、長野・冬季オリンピック大会の際、道路の建設のために伐採されなければ
ならなかった ”イタヤカエデ” の木を貰い受け、
日本の木工家が苦労してコカリナを製作しました。

そうして出来上がったコカリナを、長野オリンピック大会の開会式のときに、
地元・山ノ内町の小学生たちが、ステージで演奏した姿を、
まだ記憶されている方も多いと思います。

これを機会に、コカリナは多くの人々に知られるようになりました。



また、2004年に開かれたカナダ・ソルトレイクオリンピック大会の時にも、
”クロヤナギ” の木が伐採されてしまいました。

カナダのオリンピック関係者は、長野大会の時のコカリナのことを覚えていて、
この木を日本に送ってきました。
それを日本の「公認製作者」が、分担してコカリナを作り、ソルトレイクに送り返しました。


ソルトレイク大会開会式では、カナダの若者たちが、日本の”ふるさと”を
上手に演奏してくれました。



そして、2008年に開かれる中国からも ”メタセコイア” が、日本に送られてきました。

またしても、日本の「公認製作者」が作ったコカリナが、北京オリンピック大会
使われることになっています。



いまや「コカリナ」は、世界の楽器にまで成長しているのです。


コカリナの普及は目覚しく、今では日本国中に数万人の愛好者がいるといわれています。
小さい子供からお年寄りまで、気軽に楽しめるだけではなく、

木が持つ優しい音色が ”癒し系の音楽” として、反響を呼んでいるのです。

また、自然環境を守るシンボル的な楽器としても、
大きな注目を浴びています。





コカリナの誕生秘話等については、
黒坂黒太郎著 『コカリナ?−杜の精が宿る笛』 講談社刊 に、
詳しく紹介されています。




トップへ  次へ





inserted by FC2 system